
写真=東京港 2021年11月撮影
テレビでは連日のように、アメリカと中国の貿易摩擦のニュースが流れている。だがニュースの内容は、お互いの国の首脳が相手を威圧するような内容ばかりで、肝心の内容が触れられていない。
アメリカと中国は、お互い何を貿易しあっているのか、だ。
そこで本サイトは独自で、アメリカと中国は、お互い何を貿易しあっているのか調べてみた。日本貿易振興機構(JETRO)の資料が参考になった。
はじめに米中間の貿易量から説明する。貿易量は、金額をベースにして算出する。
アメリカは通常、中国よりもおよそ3倍から4倍の量を輸入している。アメリカが中国に1輸出して、中国はアメリカに3から4輸出する、といった具合だ。
明らかにアメリカは、中国に対しては貿易赤字である。
次に、アメリカは中国に何を輸出しているかを説明する。
時期によって多少の変動はあれど、輸出品目は、多い順から民間航空機・エンジン・部品、原油、乗用車、免疫産品、プロセッサー・コントローラー、半導体デバイスまたは集積回路製造用の機器、液化石油ガス、銅のくず、その他の集積回路、医薬品といった内容だ。
反対に、中国はアメリカに何を輸出しているかを説明する。
これも時期によって多少の変動はあれど、輸出品目は、多い順からノート型パソコン、スマートフォン、一定額未満の小口貨物、リチウム・イオン蓄電池、玩具、データ(音声、画像その他)の受信、変換、送信、再生機械、その他のプラスチック製品、機械部品・附属品、モニター、電話機およびその他の機器の部分品といった内容だ。
これらの品目を調べてみると、アメリカも中国もお互いに代わりがきくものを輸出入しあっている。パソコンやプラスチック製品、原油や天然ガスなどは、アメリカや中国以外でも生産しているので、何もアメリカや中国に頼らなくても代わりが効く。
ただ若干、アメリカは中国に、代わりが効かないものを輸出している。
航空機や半導体製造装置、医薬品などは、アメリカ以外の国だとなかなか代わりがきかない。
したがって、アメリカと中国の貿易戦争は、中国側が不利で、中国にとって分が悪い結果になるのではないだろうか。