山形大学 ナスカの地上絵・最大の謎を解明 誰が何のために描いたのか、それは古代の現地人が儀礼の目的で描いた

山形大学は2024年9月24日 臨時で記者会見を開き、南米ペルーにあるナスカの地上絵 その最大の謎である、誰が何のために描いたのかを解明した。ナスカの地上絵は古代の現地人が、儀礼の目的で描いたのだと発表した。
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 山形大学は、2004年からナスカの地上絵の研究を始めた。研究を引っ張ったのは坂井正人 人文社会科学部教授だ。
 坂井氏は、グーグルのマップ機能を使って学生たちと地上絵を探し続けた。そして新たな地上絵を発見しては、プレスリリースを出し続けた。プレスリリースのいくつかは全国ニュースで扱われ、山形大学をナスカの地上絵研究が盛んな大学として有名にした。
 山形大学のナスカの地上絵・新発見のニュースは当然、現地ペルーのニュースでも取り上げられ、ペルー政府から地上絵の立ち入りが許可されるようになった。
 山形大学は2012年に現地ペルー・ナスカに研究所を開設した。開設後は現地調査も頻繁に行われ、新たな発見もあった。
 地上絵の周辺には、土器の破片が大量に散乱していた。またナスカ周辺には当時、人が住んでいた痕跡も多く残されていて、発掘作業を進めたところ、遺留品が大量に見つかった。
 山形大学はこれらの土器や遺留品を特殊な装置で年代測定したところ、紀元前の古代のものも存在すると断定した。当時ペルー・ナスカ一帯にはすでに人が住んでいて、独自の文明を築いていたことを発見した。これによって、ナスカの地上絵は宇宙人ではなく、現地の人間が描いたと発表した。この発見は現地ペルーのメディアに大きく取り上げられ、アンデス考古学としてひとつの大きな研究ジャンルになった。
 また坂井教授は現地住民からも聞き込みを続けた。その結果、現地では独自の遠近測定法が伝承で伝えられているのを発見した。その遠近測定法を用いれば、ナスカの地上絵の縮尺版の絵を書きさえすれば、それを拡大させて人力で巨大な地上絵を描くことができた。これは実際、山形大学の学生や山形の児童生徒たちが校庭でやってみて、みごと地上絵を書くことに成功した。
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 これによってナスカの地上絵は人間が描いたことを明らかにした。
 坂井教授らは、地上絵に遺された土器の破片が、地上絵を描いた目的の手がかりになると考え、さらに地上絵の発見をするべく探索を続けた。
 科学技術も発達し、最近ではドローンを使ってナスカ一帯の精細な上空写真を撮ることが可能になった。また人工知能(AI)の登場によって、ナスカ上空の写真と、これまでの地上絵を発見したノウハウを機械学習させれば、AIが地上絵のありそうな箇所を発見してくれるようになった。
 山形大学はAIを使って地上絵の発見を試みたところ、新たな地上絵の発見は飛躍的に向上したと発表した。その新地上絵の発見は数百点にものぼり、当然これらもAIに機械学習させることで、AIの新地上絵発見の精度はさらに向上した。
 山形大学は大量に発見された地上絵の分析もすすめた。その結果、山形大学はナスカの地上絵は儀礼の目的で描かれたものだと発表した。小さめの地上絵は個人や小規模の掲示板として描かれ、大きめの地上絵は大規模な儀礼目的で描かれたという。
 掲示板や儀礼の詳細についてはまだ分かっていない。
 山形大学は今後も地上絵の発見と分析を進めていくとしている。まだ発見されていない地上絵が、ナスカ一帯にはまだまだたくさんあるらしい。